空木岳の稜線に合流する地点にある木曽殿山荘が今日の目標である。なんとか15時位には着けるだろうと思っていたが、甘い考えだった。山小屋に続く夏道は、雪に隠れて次第にどこを歩いて行くか判らなくなってきた。ルートを示す木に付けられた赤いテープを頼りに歩く。この2~3日誰も歩いていないようでトレースもなく次第に雪が深くなって時折、膝まで足が雪を踏み抜く。8合目の見晴台に13時50分。樹林の間から見える南駒ケ岳は、すごい山容だ。

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見晴台から目印の赤布が示すルートは、尾根の横をトラバースすることが多くなり雪深い急な斜面をトラバースすることが怖くなってきた。バランスを崩せば、谷へ滑落・・・、雪が滑り出せば底なだれに巻き込まれてしまう。安全第一、夏道をあきらめ尾根に上がることにして針葉樹林の中をラッセルしながら登った。木曽殿山荘が見える地点まで来たが小屋に行く為には、さらに急な斜面を横切らないと行けない。無理をしないでそのまま尾根をラッセルしながら上がり最後はハイ松を漕いて東川岳の山頂に16時30分、やっと到着することが出来た。ほっとして周囲の山並みをカメラに収めた。宝剣岳からこれから行く南駒ケ岳まで素晴らしい雪山の眺めだ。ここから木曽殿山荘までは、問題なく17時到着。冬季小屋が開いていたのでテントを張らず、今晩は小屋を使わせて頂く。夜は、風が強く、我々3人だけの泊まりであった。

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